国の薦める「長期優良住宅」とは?建てるメリットと注意点

住宅を長く使用することが目的

日本では少子高齢化が進み、住宅のストックがどんどん増えていき、空き家の放置が問題になっています。

老朽化した空き家に対しても様々な対策が取られていますが、新規で住宅を新築する場合には将来の空き家を増やさない対策が求められます。
それが「長期優良住宅」です。
長く使い続けることができる構造や設備を整えた高品質な住宅の新築と、長く使い続けられるように適切なメンテナンスを行い維持管理をしていく取り組みを促す制度です。

省エネ化やバリアフリーなど、条件は様々

住宅の構造および設備が、長期にわたって良好な状態で使用できるようになっていることが必要です。

主な条件

  • 耐震性や省エネ性能を備えて災害に強い
  • 快適に暮らしやすい構造
  • 家族構成の変化やライフスタイルに変化が生じても間取り変更がしやすい
  • 長く住み続けやすい構造
  • 高齢になっても安心して暮らせるバリアフリー構造

などを備えた住宅を長期優良住宅として認定しています。

他にも、住宅の面積が快適な居住水準を確保するために必要な規模を有すること、地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであることが求められるほか、維持保全計画が適切でなくてはなりません。

減税や補助金も対象に

認定された住宅に税制の優遇措置、また補助金の対象になることで、マイホームを新築する際、長期優良住宅を選ぶ人が増えるように制度を整えています。

税制の優遇措置や補助金を受け取るためには、先ほど挙げたような一定の条件を満たし、長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成して所管行政庁に申請して認定を受ける必要があります。
申請は建築主または分譲事業者が行い、住宅の新築工事の着手前に所管行政庁に申請しなければなりません。

減税率も大幅UP

住宅を新築するとさまざまな税金がかかることになりますが、長期優良住宅に認定されると税金の軽減を受けることができます。

登録免許税

マイホームを新築した場合、所在地を管轄する法務局で所有権の保存登記を行います。
登記の申請手数料として登録免許税がかかりますが、一般住宅では新築価格の0.15%であるところ、長期優良住宅の場合には0.1%に軽減されます。

不動産取得税

購入時はもちろん、新築によるマイホームの取得でもかかる不動産取得税についても、一般住宅の場合には1,200万円の控除という減額制度があるところ、長期優良住宅の場合は1,300万円の控除を受けられます。

固定資産税

不動産の取得後に毎年かかる固定資産税は、もともとマイホームに関する軽減制度が講じられています。
床面積が50㎡以上280㎡以下の戸建て住宅の場合は3年間、マンションの場合は5年間にわたって税額の2分の1の減額を受けられます。
マイホームが長期優良住宅に認定されれば、一戸建てなら5年間、マンションなら7年間と税額の減額期間が延長されるのがメリットです。

住宅ローン控除

マイホームを新築するにあたって、工事費や土地の購入費用などを住宅ローンを使う方がほとんどです。
この場合に多くの方が住宅ローン控除の適用を受け、10年にわたって所得税の減額や還付を受けられるようになっています。

一定の条件を満たしたマイホームが対象ですが、一般の住宅の場合はローンの残高の最大4,000万円までで1%の軽減が10年間受けられるので、最大の控除額は400万円となります。

これに対して長期優良住宅の場合は5,000万円まで適用が受けられるので、最大控除額は10年間で500万円となるのがメリットです。

補助金

また、補助金や金利優遇も受けられます。

地域の中小工務店などが木造の認定長期優良住宅を新築する場合や地域型住宅グリーン化事業として長寿命型の住宅を建てる場合などに、一定の条件を満たすことで100万円を上限に補助金が出ることがあります。

また、住宅ローンの利用時に長期優良住宅に認定されると、適用金利が優遇されるのもメリットの一つです。

申請手続きの流れ

長期優良住宅の認定を受けるためには一定の条件を満たすとともに、書類を作成して所管行政庁へ申請をします。
次に、認定のために求められる長期優良住宅建築等計画など計画の作成を行い、登録住宅性能評価機関へ技術的審査を受けるための事前審査依頼。そして登録住宅性能評価機関によって審査を受け、条件を満たしていることが認められると適合証が発行されます。
そのあとに、所管行政庁へ計画書や適合証などの必要書類を添付して認定申請を行い、所管行政庁の審査を受けます。
その結果、所管行政庁が認定をしてくれると、認定通知書が受けられます。

なお、申請にあたっては行政による認定手数料が数千円のほか、事前に技術的審査を受ける手数料として数万円の費用が発生することがあります。
登録住宅性能評価機関によっても手数料額が異なるため、事前の確認が必要です。

申請は施主が自分で行うと複雑で大変ですが、ほとんどの場合、建築工事を依頼した工務店やハウスメーカーが手続きをサポートしてくれます。
ただし、サポート料などを取られることもあるので、費用が気になる方は事前にしっかり確認し、納得のうえでお願いしましょう。

認定後でも違反をすれば取り消される可能性あり

認定をされたら税制優遇などのメリットを得られますが、認定された計画通りのメンテナンスや維持管理をしなくてはなりません。

また、メンテナンスの記録を保存することも必要です。
認定した所管行政庁より、維持管理の状況や計画の実施について報告を求められることがあり、その際に記録の提出が求められます。

その結果、認定を受けた住宅の維持や保全が適切になされていないと判定されると是正指導や改善命令を受けることになります。それを無視して改善命令に違反すると認定を取り消されることもあるので注意しなくてはなりません。
認定が取り消されれば、固定資産税の軽減や住宅ローン控除や住宅ローンの金利優遇などが途中で打ち切られてしまうこともあります。

さらに所管行政庁から報告を求められて応じないケースや維持管理について虚偽の報告をすると、30万円以下の罰金に処せられることもあります。

まとめ

長期優良住宅とは住宅資源の有効活用を目的に、長く快適に安心して暮らせる住宅を新築しようとする方を応援する制度です。

耐震性や省エネ性能、便利な設備を備えた高品質な住宅を建てるとなれば、費用もかさみます。しかし、費用の値上がり分を各種税金の軽減や補助金、住宅ローン控除などによってカバーし、良質な住宅ストックを増やすことで日本の住宅環境はより良いものになるでしょう。

マイホームを検討中の方は是非、長期優良住宅も視野に入れてみて下さい。

+1

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です